かつては「知識をどれだけ覚えたか」で評価されてきた日本の小中学校教育。
いわゆる“詰め込み型”と呼ばれるこのスタイルは、確かに一定の学力を底上げし、日本の経済成長を支えてきた一因でもありました。しかし今、その教育モデルは限界を迎えています。
なぜなら、社会が「答えのある問題」より「答えのない問い」に向き合う時代になったからです。
AIが飛躍的に進化し、検索すれば何でも出てくる時代に、ただ知識を詰め込んでいても意味がありません。
これからの子どもたちに必要なのは、「自ら考える力」です。
たとえば、ある課題に対して「なぜそうなるのか?」「他に方法はないか?」と問いを立て、仮説を立てて検証するようなプロセス。
これはまさに、これからの社会で求められる“生きる力”に直結します。
もちろん、基礎的な知識は必要です。
ただしそれは「考えるための材料」であって、ゴールではありません。「教えられたことをそのまま受け入れる」のではなく、「自分なりに考えて答えを導く」経験こそ、これからの教育に不可欠なのです。
私たちは、教育の目的を「正解を早く出すこと」から、「深く問い続けること」へとシフトさせる必要があります。今こそ、子どもたちの内にある“考える芽”を、大人たちが本気で育てる時ではないでしょうか。
