中学から高校まで、最低でも6年間。ほとんどの子どもたちは英語を勉強します。でも、大人になっても英語が話せない人が圧倒的に多い。これは教育が“失敗”している証ではないでしょうか。
現代の学校教育は、詰め込み(インプット重視)、比較(ライバル視)、正解(100点思考)という三拍子が揃っています。そして、その延長線上にあるのが受験対策ビジネス。いかに効率よく“正解”に辿り着くかを追求し、子どもたちは競争の渦に巻き込まれていきます。
しかし、社会に出てみれば、正解なんてない世界です。あるのは、“問い”を立てる力、“考え”を深める力、“創る”発想力、そして“伝える”表現力。それらが本当の「生きる力」であり、今後ますますAIが進化する時代に、人間らしさを発揮できるコアスキルなのです。
果たして、英語の文法力や読解力を競わせる入試制度が、このグローバルな社会で国際競争力を担保するのでしょうか? “正解を出す人材”ではなく、“問いを生み出す人材”を育てなければ、日本の未来はつくれません。
受験対策ビジネスに全否定をするつもりはありません。でも、教育の本質を見失ったとき、未来ある子どもたちの可能性を狭めてしまうことを、私たち大人は忘れてはならないと思うのです。