問題解決し「発信」する力が未来を切り拓く
今、日本の教育に最も求められているのは、「インプット型」から「アウトプット型」への大胆な転換であると考えています。知識の詰め込みや一方通行の授業では、子どもたちの未来を支える本質的な力は育ちません。今こそ、10代のうちから“考え、表現し、発信する力”を養う教育を推進すべきです。
これからの時代は、正解を暗記して点数を取る人よりも、「問いを立て、自ら考え、他者に伝えられる人」が活躍します。社会は、変化の連続であり、誰かが用意した「正解」はほとんど存在しないのです。だからこそ、目の前の課題に対して自ら仮説を立て、調べ、整理し、自分の言葉で伝える…この一連のプロセスが不可欠なのです。
具体的には、プレゼンテーションやディスカッション、プロジェクト学習といった実践的なアウトプットの場が求められます。例えば、ある地域課題についてリサーチし、解決策を提案するワークショップ。あるいは、学校内外で起きた出来事をテーマに、自分の視点でレポートを書き、発表する授業。こうした機会を積み重ねることで、「伝える力」と「考える力」は確実に育まれていくのです。
また、アウトプット型の教育は「自信」を育てます。自分の意見が他人に伝わったとき、人は自らの存在に価値を感じるもの。そして、発信する中で他者との違いを知り、多様性への理解も深まる。これこそが、真の意味での「生きる力」ではないでしょうか。
10代という吸収力の高い時期だからこそ、知識の詰め込みではなく、アウトプットによる“思考の熟成”に時間を使いたい。未来を担う子どもたちが、自らの声で社会を変えていく——そんな教育を今こそ、私たちは実現すべきです。
